製品情報
特長
- 小型、低圧損
- 分解清掃等のメインテナンス性が高く、数分で分解、組立可能な小型国産DMAです。
- 特に、排ガスなどの汚れやすい高粒子濃度エアロゾルに最適な設計となっています。
本装置は、独立行政法人産業技術総合研究所先進製造プロセス研究部門との共同研究により開発、製品化されたものです。
仕様
測定粒径範囲 | 5nm~500nm |
適応エアロゾル流量 | 0.3~2L/min |
シース流量 | 3~20L/min(別売フローユニットによる) |
耐圧 | -0.1~0.3MPa gauge |
耐電圧 | 8kV(静的印加時) |
外観寸法 | Φ80×350mm(突起部含まず) |
アプリケーション
- 排ガス中微小粒子の粒径分布計測
- 大気中浮遊微小粒子の粒径分布計測
- 微粒子の分級
関連製品
フローユニットPUシリーズ、高電圧電源 HV10、エアロゾル荷電中和装置SMAC等
FAQ
粒径分布を測定した後の粒子を分析装置などで分析することは可能ですか?
粒径分布を測定する際は、分級した粒子を、カウンタやエレクトロメータで測定するため、利用することはできません。しかしながら、任意の粒径の粒子を取り出すことは可能です。
化粧品などの材料の粉を同一粒径で揃えたいのですが、大量に分級できますか?
弊社EMCは計測用となっており、分級精度を重視しているため大量分級はできません。
計測原理
計測原理名
微分型モビリティーアナライザ
計測原理
EMCは、微分型モビリティーアナライザ(DMA)であり、帯電微粒子の電気移動度(単位電界あたりの粒子の移動速度)の粒子径依存性を利用した静電分級器です。この移動速度の差によって微粒子を分級し、粒径サイズを揃える装置です。
図に示すように本器は二重円筒状となり、予め荷電中和状態に荷電させた粒子を外側のスリットから静かに導入し、鉛直方向に層流のシースガスの流れ(速度Vgas)と水平方向の静電気力による粒子の移動(速度ZpE)とのバランスによって粒子を輸送し、特定サイズの粒子のみを下部に設けたスリットから取り出し分級します。この場合、粒子の電気移動度Zpと、粒子径dpの関係は次式で与えられます。
Zp=peCc/(3πμdp)
ここで、p, e, Cc, μはそれぞれ粒子の帯電数、素電荷、カニンガムの滑り補正計数、粘度となります。また、中心ロッドへの印加電圧Vと分級される粒子の電気移動度の関係は、装置形状(L, R1, R2)、シースガス流量Qcを用い以下の式で表されます。
Zp=Qc ln(R2/R1)/(2πLV)
ここで、印加電圧Vを制御することで、分級される粒子径dpが制御でき、また分級後の粒子の個数濃度をファラデーカップ電流計などにより検出することで、ナノメーターオーダーの粒子のサイズ分布のオンライン、リアルタイム計測が可能となります。