製品情報
本製品は一時受注停止中です。
特長
- 微細電極を用い、局所的に静電場を形成して微粒子の荷電中和を行うため、放射線特有の安全管理、保管などに関する特別な取り扱いが不要です。
- 放射線源であるアメリシウム(241Am)を用いた中和器とほぼ同等の性能を有しています。
- 放射線を使わない従来の荷電中和装置と比較して極端に小型化でき、本体と電源部が一体となった軽量ボディを有しています。
- 放射線を使わない従来の荷電中和装置と比較し、発生オゾン濃度を数十分の一から数百分の一まで軽減することで環境基準以下の発生量にしています。
本製品は独立行政法人産業技術総合研究所との共同開発により製品化された製品です。
仕様
荷電中和適応粒径範囲 | 4nm~1μm |
定格流量 | 0.3~2.0L/min |
イオン濃度(n+及び、n-) | 1.0x1013 個/m3以上 |
接続管 | 1/4インチ(t=1mm)SUS304 BA管 |
動作温度範囲 | +5℃~+40℃ (ただし結露なきこと) |
電源 | AC100V±10%、50~60Hz、3W |
寸法及び、重量 (電源コード、突起部含まず) |
220W, 116H, 70Dmm,735g |
アプリケーション
- 微粒子計測における必需品
(微粒子の分級及び粒径分布を計測する際には、測定対象である微粒子の荷電中和が欠かせません) - 放射線源を用いた荷電中和器の代替品として
- ユニポーラチャージャーとして利用可能
(ポジティブ、ネガティブのバランスを任意に変更した場合)
関連製品
微粒子静電分級器[EMC]
FAQ
定格流量よりも大きな流量で使用したいのですが、大流量対応品はありますか?
現状では、大流量に対応したものはありません。定格流量の2倍、もしくは3倍程度の流量であれば、並列に数台使用していただくこともできるかと思います。
海外で使用したいのですが、電源はどうすれば良いですか?
現行モデルの入力電源はAC100V±10%のみとしていますが、変圧トランスなどの電圧変換器を用いて使用していただくことはできます。
計測原理
計測原理名
放電マイクロプラズマによる微粒子荷電中和
計測原理
表面マイクロプラズマ素子(SMD)を使った誘電体バリア放電でマイクロプラズマを発生させ、その周囲にある気体をイオン化してイオンクラスターが生成されます。
正負の両極イオンクラスターは気体中を浮遊する微粒子と衝突し、その結果として微粒子をイオン化(荷電中和)します。
SMACでは正負2対の表面マイクロプラズマ素子を対向に配置し、正負それぞれの出力を調整することで微粒子を荷電中和状態にします。
特長
- 表面放電マイクロプラズマ素子(SMD)による低オゾン放電
従来からあるコロナ放電等の電気的微粒子荷電中和器は、印加する電圧も高くオゾン発生量が環境基準を上回る濃度を発生させてしいましたが、SMACはSMDを用いることで比較的低電圧による誘電体バリア放電によりマイクロプラズマを発生させます。荷電中和を行う本手法では、発生オゾン濃度を環境基準以下にすることが可能となりました。 - 小型電源の使用により中和器本体のコンパクト化を実現
上記SMDを用いることで比較的低電圧、低電流で荷電中和を行うことが実現できたため、中和器に搭載する電源を小型化することが可能となりました。これにより、従来の放電型荷電中和器と比較し、大幅な小型化を実現しました。
計測事例
性能データ
以下に示すグラフは、アトマイザで生成したDOS(ジオクチルセバケイト)粒子の粒径分布を計測する際、DMAによる分級前処理として放射線源である241Am(アメリシウム)と、SMACを用いてそれぞれ荷電中和を行ったときの粒径分布測定結果です。
この結果より、SMACによる荷電中和は241Amのものとほぼ同等であることが分かります。
関連文献
Charge neutralization of submicron aerosols using surface-discharge microplasma
Journal of Aerosol Science Volume 37, Issue 4, April 2006, Pages 483-499
自動車排ガス中ナノ粒子の新規計測システム、自動車技術会学術講演会前刷集、No.138-05 (2005)
表面マイクロプラズマエアロゾル荷電装置(SMAC)の特性評価、日本エアロゾル学会、エアロゾル研究Vol.21(2006)、No.3 Autumn pp.226-231